Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
てがみ
手紙
久生 十蘭
Lisez 手紙 (てがみ) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 15 158 caractères · 30 écrans
フレデリック・ヘンリー岬からメラウケまでの間では、爆撃機が毎日のように頭の上を飛んで行きましたが、ある朝、舟をマングローブの林の中へ入れようとしますと、村上さんが寝ていた舳のところに、血のようなものがいっぱいこぼれていますので、なんだろうと思って見ていますと、村上さんは、
「マングローブの木の汁だよ」といいました。
マングローブの木からタンニンがとれ、木を切ると、血のような色をした赤黒い汁がでますが、マングローブを切りもしないのに、どうしてここに汁があるのか、ヘンだと思ったが、「そうですか」といっておきました。
メラウケから更に南へ下ると、海岸から八浬も沖まで珊瑚礁が出ている。危険なので、昼か月夜でなければ航海ができなくなり、そのうえ、急に吹きだす嵐の心配をしながら、よほど沖を行かねばならなくなりました。鯨がだんだん多くなり、一晩中、オルガンのような音が、暗い海にきこえました。村上さんは知りませんが、こんな小さな丸木舟の航海にとっては、嵐よりもなによりも、鯨と大が恐ろしいのです。鯨が舟につきだすと、舟のまわりをまわって大きな波を立てて遊び、石油缶を叩いておどかしても、なかなか離れようとはしないのであります。