Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ピッチャーさつじんじけん

投手殺人事件

坂口 安吾

Lisez 投手殺人事件 (ピッチャーさつじんじけん) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 28 243 caractères · 57 écrans

Aozora Bunko

「いえ、そんな話はありませんよ」

「ウソ仰有い。今夜、煙山クンがこッちへ来るでしょう」

「そんな話、知らないですね」

「フン」光子の眉間にピリピリ癇癪が走った。

「あなた、専売新聞のネービーカット軍に移籍しなさい。お約束の三百万、だします。専売から、百万。私から、二百万。私の全財産ですわ。どう?」

「もう、お金の必要がなくなったんです」

「なに云ってんのさ。なぜ、あなたが三百万円欲しかったか、私はチャンと突きとめてますよ。誰から、きいたと思う? 岩矢天狗氏よ。あす二十日でしょう。彼氏、京都へ、暁葉子の手切金、うけとりに来る筈よ。三百万、払える?」

「えゝ、ま、なんとかなります」

「甘チャンね。煙山クン、お金なんか、持ってきやしないのよ。持ってくるのは百万だけよ。それで、なんとかなるの?」

そこは大鹿の急所だ。なんといっても、三百万という大金は、手にとってみないうちは、煙をつかむようで、見当がつかない。思わず言葉を失って、うなだれてしまった。

「私は煙山クンに会ったわよ。百万でごまかすツモリなの。あとは暁葉子の義理でひきずる算段よ。卑怯じゃないの。あなた、それでもいいの」