Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

そうわ

挿話

徳田 秋声

Lisez 挿話 (そうわ) de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 26 544 caractères · 53 écrans

Aozora Bunko

やがて座を立っていったが、幕があいた時分にやっとかえってきた。

「ここの電話じゃ急のことには埒があかないから、わたしお隣の緑軒でかけてきましたわ」お絹はそう言って、鼻頭ににじみでた汗をふいていた。

辰之助は序幕に間に合った。

「河内山」がすんで、「盛綱陣屋」が開く時分に、先刻から場席を留守にしていたお絹が、やっと落ち著いた顔をして、やってきた。

「お芳さんがあすこに立っていたから、行って見てきましたの。いい塩梅に平場の前の方を融通してくれたんですよ」

「そう。お芳さんも久しく見ないが、どこにいる」

お絹は指ざしして教えてくれたけれど、疎い道太の目には入りかねた。

肌でもぬぎたいほど蒸し暑い日だったので、冬の衣裳をつけた役者はみな茹りきっていた。

「勧進帳なんかむりだもんね。舞台も狭いし、ここじゃやはり腕達者な二三流どこの役者がいいだろう」

「そうかもしれません」

「鴈治郎はよくかけ声か何かで飛びあがるね」

「ほんとうにおかしな人。私あの顔嫌いや」

「おもしろい役者じゃないか」

大切の越後獅子の中ほどへくると、浅太郎や長三郎の踊りが、お絹の目にも目だるっこく見えた。