Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ほうろう

放浪

織田 作之助

Lisez 放浪 (ほうろう) de 織田 作之助 (おださくのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 23 614 caractères · 47 écrans

Aozora Bunko

見れば、畳の上にハラ/\と涙をこぼし眼をこすりもしないで、芝居がかった容子であるから、丸亀夫婦も舞台に立ったような思いいれを暫時した。一杯行こうと叔父の差し出す盃を順平はかしこまって戴き、呑み乾して返えす。それだけの動作の間にも、しーんとした空気が張っていた。その空気が破れたかと思うと、順平は、阿呆の自分にもこれだけは言わしてほしい言葉、けれど美津子さんは御承諾のことでっかと、律気めいた問い方をした。尼になる気持で……などと言うたら口を縫いこむぞといゝきかされていた美津子は、いけしゃあ/\と、わてとあんたは元から許嫁やないのといった。二親はさすがに顔をしかめたが、順平はだらしなくニコ/\して胸を張り、想いの適った嬉しさがあり/\と態度に出た。いやらしい程機嫌を誰彼にもとった。阿呆程強いもんはないと叔母はさすがに炯眼だった。

婚礼の日が急がれた。美津子の腹が目立たぬ内にと急がれたのだ。暦を調べると、良い日は皆目なかったので、迷った揚句、仏滅の十五日を月の中の日で仲が良いとてそれに決められた。婚礼の日六貫村の文吉は朝早くから金造の家を出て、柿の枝を肩にかついで二里の道歩いて、岸和田から南海電車に乗った。