Classiques japonais avec furigana
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ほうろうのやど
放浪の宿
里村 欣三
Lisez 放浪の宿 (ほうろうのやど) de 里村 欣三 (さとむらきんぞう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 14 066 caractères · 28 écrans
て行くのか、まるで見当のつかないような素足の露西亜人をよく掴まえては吹っかけて、『ボルシェビキーは好き』だの『帝政派は嫌いだ』だのと、まるで鶏の尻から臓腑をひき出すような手付で、無我夢中で興奮していた。
露西亜人たちは、その野放図もない胴体で、ちょっとばかり力を入れれば、押し潰れそうな手製の貧弱なテーブルを股の中に抱き込んで、しかも雀の涙ほどのウォツカの杯を見つめながら、この道化者の気狂いじみた興奮を猫脊に微笑んでいるのだった。そして彼にはそういう怪物みたいな露助が、一言の反対もなく彼の気焔に微笑んでいてくれることが、何よりも嬉しいと見えて、それだけでもう充分に有頂天になれて底抜けた興奮に駆り立てられずにはいなかったのだ。
『大連』は全く交尾期のついた馬みたいに荷馬車を蹴飛ばして、シベリヤの曠野を突走りかねない量見を抱いているらしかった。それはまるで途方もない心掛けだ!
若者はこの『大連』がそういう途徹もない量見と、気狂い染みた情熱をもっていようとは夢にも知らなかった。
第一大連は、若者が豚小舎みたいな宿泊所に辿りついた時に、虱を潰していた男が、痴呆症みたいに二日三晩も寝通したと言ったし、その上支那服が野犬を料理る時に、彼は憂鬱に黙りこんで、水汲みにぼい使われていながら不服そうな面も出来なかった。