Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぶんかさい

文化祭

坂口 安吾

Lisez 文化祭 (ぶんかさい) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 978 caractères · 28 écrans

Aozora Bunko

谷へのイヤガラセである。今日一日は谷の顔も見たくない。出演の義務だけ軽く果して、一時も早く彼の顔の見えないところで自由の息を吸いたかった。それに、も一ツ、甚だしく唯物的な理由もあったのである。

「井田さんは文化祭の幹事なさッていらッしゃるのでしょう」

と、ヤツ子は雑木林の雰囲気にはお構いなく、甚だ率直にその唯物的な問題をきりだした。

「幹事は幹事ですが、使い走りですね。大学卒業生は農村では他国者のようなものでしてね。実権は持てないのです」

ケンソンではない。万一の場合にそなえて、おのずからの防禦の体勢。知能と関係のない特殊な頭脳の廻転だ。

「幹事ではいらッしゃるのね」

「そうなんです」

「井田さんに申上げるの筋違いかも知れませんけど、私はね、この文化祭にバンドマスターの谷さんがなさった契約、不満なんです。バンドの人たちとケンカしたのが、そのためなんですわ。往復の汽車が三等でしょう。私だけ二等で来たのです。素人歌手のくせに生意気だと仰有るかも知れませんけど、学生のアルバイトだからむしろ誇りが持ちたいのね。みじめな思いでドサ廻りまでしたくないのです。この村の方だって、駅ぐらいまで出迎えて下さるのが当然じゃないかと思うんです。