Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぶんだんむかしばなし

文壇昔ばなし

谷崎 潤一郎

Lisez 文壇昔ばなし (ぶんだんむかしばなし) de 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 9 802 caractères · 20 écrans

Aozora Bunko

と、七子のかなり大型の両蓋の金時計を持って来て私に渡し、「麻田さん(当時の社長)にもそうたびたびはいいにくいから、これで一時都合して下さい」といったことがあった。私は見え透いた細工をされているようで不愉快であったが、急場の必要に迫られているので、仕方なくそれを受け取って、その頃一高の近所にあった、学生時代から私の行きつけの質屋に持って行き、その時計(鎖附きであったかどうか忘れた)で六十円借りた。私はそれを借りた帰りに西片町にいた長田秀雄を訪ねたが、「今樗陰のところでこれこれであった」と、多少憤慨の気味で話をすると、「樗陰も変なことをするじゃないか、僕が出して上げるからそんなものは返してしまい給え」と、秀雄が即座に工面してくれた。

○

今なら自家用車というところだが、樗陰はいつも人力車であった。それも最初はお抱え俥ではなかったらしく、近所の車宿から雇っていたが、後には専用の車夫と車台を持っていた。赭ら顔の、でっぷりと太った肥大漢の彼が、颯爽と風を切って本郷の大通りを走らせて行く風貌は、往来でも一と際目立ったので、「あ、樗陰だな」と、遠くから直ぐ分った。