Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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やみのしらが

文豪怪談傑作選・特別篇 百物語怪談会

沼田 一雅

Lisez 文豪怪談傑作選・特別篇 百物語怪談会 (やみのしらが) de 沼田 一雅 (ぬまたいちが) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 5 076 caractères · 11 écrans

Aozora Bunko

この話の中で注目を要するのは、その私の懇意にしている人の姉さんの婿さんたるべき人で、色々な事があるけれど、正真正味の骨だけ抜いて言うと、つまり銀行員で、この人のところへ嫁がくる。この嫁の問題で少し家内がごたごたする。男一人と女二人というような配合で、一人の女に気はあるが、他の一人の女には左程気が無く、それがごたごたの原因である。つまりこの銀行員たるべき人には、自分が大変想いを寄せている女が一人あって、それを嫁に貰いたい念は山々であるのだが、その山々な念に背かなければならない。苦しい破目もあるというのは、一人の六十あまりになるおばアさんの人があって、このおばアさんの考えでは自分の身内の或る人を嫁に入れようとする。が銀行員の婿さんはその女は厭やなのだ。そして自分の好きな女と一緒になりたいのだ。この厭やな女と好きな女と、何れに決するかという問題になった時、厭やな女を遠去けて、好きな女を貰ってしまった。それが当年六十路あまりのおばアさんとは、反目嫉視氷炭相容れない。何ということ無しにうつらうつらと面白く無い日を送って、そして名の知れない重い枕に就いた。おばアさんの言うには、これは皆嫁女のなさしむるところだと怨んで死んだ。