Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
となんせんせい
斗南先生
Lisez 斗南先生 (となんせんせい) de Nakajima Atsushi (中島 敦) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 22 262 caractères · 44 écrans
麓までは、三造にも初めての山駕籠であった。あまり強そうにも見えない三十前後の男が前後に一人ずつ、杖をもって時々肩を換えながら、石段路を歩きにくそうに下って行った。三造はそのあとについて歩いた。下り切ってしまうと今度は人力車に乗った。松田の駅に着いた時はもう夕方になっていた。
松田駅の待合室で次の下りを待合せている間、伯父は色々解らないことを言出して三造を弱らせた。その時伯父は珍しく旅行案内を持っていて、(宿の神主が気を利かせて荷物の中に入れておいたものであろう)それで時間を繰りながら、「今、立てば大阪は明日の十時になる」といった。ところが三造が見ると、どうしても七時になっている。そういうと伯父はひどく腹を立てて、よく見ろといった。いくら見ても同じであった。伯父が線を間違えて見ていたのである。三造も少し不愉快になってきたので、赤鉛筆でハッキリ線をひいて伯父の見間違いを説明した。すると伯父は返事をしないで、子供のようにむっとしたまま横を向いてしまった。それからしばらくして、今度は、夏蜜柑を買って来いと言い出した。三造の買ってきた夏蜜柑はうまくなかった。