Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しん・へいけものがたり

新・平家物語

吉川 英治

Lisez 新・平家物語 (しん・へいけものがたり) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 123 012 caractères · 245 écrans

Aozora Bunko

そのくせ、平太清盛をかしらにして、次男の経盛だの、三男坊だの、四男坊だの、子どもばかりは、次つぎに、産まれていた。

その父は、しかも、とかく官途をきらって、鳥羽の院へも、御所の衛府へも、特に、召されでもしない限りは、出仕した例がない。家計は、伊勢の禄地から上がる稲が唯一の収入で、おりおりの賜わり物だの、役得のみいりなどは、一切、なかった。

清盛にも、このごろやっと分かってきた。両親のいがみあいも、原因はいつもそこらにあるらしい。母は、口達者で、良人の忠盛からいわせると――油紙に火がついたようによく喋べる女――なのである。

かの女が、忠盛へ、まくしたてるきまり文句は、いつも、こうだった。

『ふたことめには、良人に向かってと、すぐこわい顔をなさいますが、わが家に、そんな立派な良人顔があるとは、思いもよりませんでしたよ。あなたは、もともと、伊勢平氏のいなか育ちで、汚い貧乏も、性に合っているかもしれませんが、わたくしは、都そだちです。親類縁者とて、みな藤原一門の公卿堂上ばかりですからね。こんな雨もりだらけな屋根の下で、年じゅう、芋粥や稗飯ばかりをかみつぶし、秋といっても、月見の御宴に伺えるではなし、春が来ても、豊楽殿のお花見などは、他人のこと。