Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんじゅのことば

新樹の言葉

太宰 治

Lisez 新樹の言葉 (しんじゅのことば) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 29 156 caractères · 59 écrans

Aozora Bunko

」郵便屋が、小声で私を呼びとめたのである。

私は、驚かなかった。何か、私あての郵便が来たのだろうと思って、にこりともせず、だまって郵便屋へ手を差し出した。

「いいえ、きょうは、郵便来ていません。」そう言って微笑む郵便屋の鼻の先には、雨のしずくが光っていた。二十二、三の頬の赤い青年である。可愛い顔をしていた。

「あなたは、青木大蔵さん。そうですね。」

「ええ、そうです。」青木大蔵というのは、私の、本来の戸籍名である。

「似ています。」

「なんですか。」私は、少し、まごついた。

郵便屋は、にこにこ笑っている。雨に濡れながら二人、路上でむき合って立ったまま、しばらく黙っている。へんなものだった。

「幸吉さんを知っていますか。」いやに、なれなれしく、幾分からかうような口調で、そんなこと言い出した。「内藤幸吉さんを。ご存じでしょう?」

「内藤、幸吉、ですか?」

「ええ、そうです。」郵便屋は、もう私が知っていることにきめてしまったらしく、自信たっぷりで首肯する。

私は、なお少し考えて、

「存じませんね。」

「そうですか。」こんどは郵便屋もまじめに首をかしげて、「あなたは、おくには、津軽のほうでしょう?」