Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんじゅのことば
新樹の言葉
Lisez 新樹の言葉 (しんじゅのことば) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 29 156 caractères · 59 écrans
電柱に抱きつくようにして寄りかかり、ぜいぜい咽喉を鳴らしながら一休みしていると、果して、私のまえをどんどん走ってゆく人たちは、口々に、柳町、望富閣、と叫び合っているのである。私は、かえって落ちついた。こんどは、ゆっくり歩いて、県庁のまえまで行くと、人々がお城へ行こう、お城へ行こうと囁き合っているのを聞いたので、なるほどお城にのぼったら、火事がはっきり、手にとるように見えるにちがいないと私もそれに気がついて、人々のあとについて行き、舞鶴城跡の石の段々を、多少ぶるぶる震えながらのぼっていって、やっと石垣の上の広場にたどりつき、見ると、すぐ真下に、火事が轟々凄惨の音をたてて燃えていた。噴火口を見下す心地である。気のせいか、私の眉にさえ熱さを感じた。私は、たちまちがたがた震える。火事を見ると、どうしたわけか、こんなに全身がたがた震えるのが、私の幼少のころからの悪癖である。歯の根も合わぬ、というのは、まさしく的確の実感であった。
とんと肩をたたかれた。振りむくと、うしろに、幸吉兄妹が微笑して立っている。
「あ、焼けたね。」私は、舌がもつれて、はっきり、うまく言えなかった。