Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ふたりのとも
新潮日本文学1 森鴎外集
Lisez 新潮日本文学1 森鴎外集 (ふたりのとも) de Mori Ōgai (森 鴎外) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 954 caractères · 29 écrans
次は母屋の中庭に向いた二階である。表通に向いた二階の小部屋は、細かい格子の窓があって、そこには客を泊らせない。F君は一番安い所で好いと云って、そこに落ち著いた。
「F君、いるかね」と云って声を掛けると、君は内から障子を開けた。なる程フランネルのシャツの上に湯帷子を著ている。細かい格子に日を遮られた、薄暗い窓の下に、手習机の古いのが据えてあって、そこが君の席になっている。私は炭団の活けてある小火鉢を挟んで、君と対座した。
この時すぐに目を射たのは、机の向側に夷麦酒の空箱が竪に据えて本箱にしてあることであった。しかもその箱の半以上を、茶褐色の背革の大きい本三冊が占めていて、跡は小さい本と雑記帳とで填まっている。三冊の大きい本は極新しい。薄暗い箱から、背革に記してある金字が光を放っている。私は首を屈めて金字を読もうとした。
「Meyer の小ですよ」と、F君が云った。
「そうか。ひどく立派な本になったね。それに僕の持っているのは二冊物だが。」
「それは古いのです。これは南江堂に来たのを見て置いたから、郵便為換を遣って取り寄せました。」
「しかしこんなに膨脹しては、名は小でも、邪魔になるね。