Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ふたりのとも
新潮日本文学1 森鴎外集
Lisez 新潮日本文学1 森鴎外集 (ふたりのとも) de Mori Ōgai (森 鴎外) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 954 caractères · 29 écrans
私は返して貰う事を予期しなかったのである。君は又そんな事に拘泥せぬ性分であったのである。これは横著なのでも、しらばっくれたのでもないと、私は思っていた。年久しく交際した君が、物質的に私を煩わしたのは只これだけである。
程なくF君は帰って来て、鳥町に下宿した。そしてこれまでのようにドイツ語の教師をしていた。夏の日に私は一度君を尋ねて、ラムネを馳走せられたことがある。
年の暮に鍛冶町の家主が急に家賃を上げたので、私は京町へ引き越した。車の音のする家から、太鼓の音のする家に移ったのである。京町は小倉の遊女町の裏通になっていて、絶えず三味線と太鼓が聞えていた。この家へもF君は度々話しに来た。
又年が改まった。私が小倉に来てから三年目である。八月の半頃に、F君は山口高等学校に聘せられて赴任した。
その又次の年の三月に、私は役が変って東京へ帰った。丁度四年目に小倉の土地を離れたのである。
――――――――――――
私は無妻で小倉へ往って、妻を連れて東京へ帰った。しかし私に附いて来た人は妻ばかりではなくて、今一人すぐに跡から来た人がある。それはまだ年の若い僧侶で、私の内では安国寺さんと呼んでいた。