Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんぱん ほうろうき

新版 放浪記

林 芙美子

Lisez 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) de 林 芙美子 (はやしふみこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 247 330 caractères · 497 écrans

Aozora Bunko

」

ベニのパパは心配そうに目をしょぼしょぼさせていた。

今日は陽気ないいお天気である。もう病院を出たかも知れないと思いながら、植物園裏の松田さんの病院へ行った。そこは外科医院だった。工場のかえり、トラックにふれたのだと云って、松田さんは肩と足を大きくほうたいをしていた。

「三週間位でなおるんだそうです。根が元気だから何でもないんです。」

松田さんは、由井正雪みたいに髪を長くしていて、寒気がする程、みっともない姿だった。昔昔、毒草と云う映画を見たけれど、あれに出て来るせむし男にそっくりだと思った。ちょいとした感傷で、この人と一緒になってもいいと云うことを、よく考えた事だが厭だった。外の事でも真実は返せる筈だ、蜜柑をむいてあげる。

病院から帰って来ると、ベニが私の万年床に寝ころがっていた。帯も足袋もぬぎ散らかしている。ベニははかなげに天井を見ていた。疲れているようだ。彼女は急速度に変った女の姿をしている。

「パパには沈黙っててね。」

「御飯でもたべる?」

ベニは自分の部屋には誰もいないのに、妙に帰るのをおっかながっていた。

夕刊にはもう桜が咲いたと云うニュースが出ていた。