Classiques japonais avec furigana
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ふたばていよだん
新編 思い出す人々
内田 魯庵
Lisez 新編 思い出す人々 (ふたばていよだん) de 内田 魯庵 (うちだろあん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 215 401 caractères · 427 écrans
会って見もしないで悪くいう奴があるもんか。一度会って見ろ、決して不快い気持はしない、極捌けた男だよ、」といった。が、何と理解しても抱一は「あんな戯作者輩に会う必要はない、」とばかりいって、尋ねようともしなかった。
すると或時、朝っぱらから飛んで来て、「会ったよ、会ったよ、紅葉に会って来たよ。徳太郎なかなか話せる。頗る快男子だ。昨宵は徹宵話して、二時まで大気焔を挙げて来た。紅葉は君、実に豪い。立派な男だ!」
と、今度は褒めるとも、褒めるとも。余り褒めすぎるので、私が何とかいって蔑すと、今までと打って変って反対に、「それは君、君は誤解している。紅葉はんな男じゃない。君、今度は十分肝胆を披瀝して話して見給え、」と俄に紅葉の弁護を做初した。
紅葉はこういう男で、誰に会っても旧知の友のように胸襟を開いて歯切れの好い江戸ッ子弁でサックリと竹を割ったように話すから、誰でも快く感じて一見百年の友に接するような心持がした。抱一は放縦と無検束で人に誤まられたが、根が多感多恨の単純な好人物であったから一見コロリと紅葉に惚れ抜いてしまった。
嫌いとなると根こそぎ嫌いだが、好きとなると直ぐ逆せ上る抱一は矢継早に三、四回も続けて紅葉を尋ねた後、十日ほども経ってから私の許へ頗る厄介な提議を持込んで来た。