Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

いちかわくめはち

新編 近代美人伝 (下)

長谷川 時雨

Lisez 新編 近代美人伝 (下) (いちかわくめはち) de 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 138 172 caractères · 277 écrans

Aozora Bunko

「でもね、本当に、美術学校って、女も入学出来るのだろうかって、お父さんは御心配なさってたが。」

「出来ないはずないでしょ。済生学舎(医学校)だって、早くっから、女を入れたのでしょ。」

「そうらしいけれどね。」

母は、娘を、非凡な才智をもつものと見ている。それは、雪深い国では、何処にもちょっと見当らない、薫りの高い一輪の名花だった。

この娘を東京へ出して、思うままに修業をさせたら――それこそ小野の小町などは、明治の、才色兼備の娘に名誉を譲るだろう。

そう思う母人の生れ育った時代は、幕末、明治と進歩進取の世に生れあわせていた。奥羽の各藩もさまざまの艱苦の後、会津生れの山川捨松は十二歳(後の東大総長山川健次郎男の妹、大山巌公の夫人、徳冨蘆花の小説「不如帰」では、浪子――本名信子さんといった女の後の母に当る人)、津田英語塾の創立者津田梅子女史は九歳、その他、七、八人の、十七、八歳を頭にした一行と、海外へ留学した最初の人を出したりして、その後も、何やかと、幕末からつづいた、新旧の、女丈夫たちに刺戟されて来ているので、東京では、もうすっかり急進欧化の反動期にはいっているときに、奥羽の隅の家庭人は、かえって、そのころになって動いていた。