Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんさいゆうき
新西遊記
久生 十蘭
Lisez 新西遊記 (しんさいゆうき) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 26 654 caractères · 52 écrans
さっそく仕度にとりかかり、食糧として小麦粉、炒粟、乾葡萄、塩、唐辛子粉、榧の油、木椀に木匙、羊の長毛を内側にして縫いあわせたツクツク(寝袋)、燧道具、薬品といった類のものを、八貫目ばかり荷にしてテンバという山案内に背負わせ、地図と磁石を靴のなかに隠し、カンプゥタンを出発したのは、明治卅三年の六月十二日のことであった。
村端の氷河を渡って涸雪の山襞をたどり、その日は早く露営した。
二日目はよく晴れて軟風が吹いた。氷河を三つばかり越えたところでドーラギリにとりつき、日暮までいちども休まなかった。三日目は東北へ山を巻きながらのぼりづめにのぼった。越えるはずの東の雪鞍は、なお半里ほどの高さで見あげるようなところに聳えている。手早く昼食をし、岩隙のある削岩壁にとりかかった。たいへんな高度にいるので、ちょっと身体を動かしても肺が膨れ、心臓が口からとびだしそうになる。雪を含んだ烈風が真向に吹きおろし、睫毛に雪花がついて眼がふさがってしまう。帽子の耳蔽のなかで呼気が凍って氷殻ができ、それが針のように頬を突刺す。そうして東の肩までにじりあがったが、去年の大雪崩の雪堆が山のように残っていて、目あての切通しは通行不能ということになった。