Classiques japonais avec furigana
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しんしゃくしょこくばなし
新釈諸国噺
Lisez 新釈諸国噺 (しんしゃくしょこくばなし) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 93 562 caractères · 179 écrans
やがて集って来た人足どもに青砥は下知して、まず河原に火を焚かせ、それから人足ひとりひとりに松明を持たせ冷たい水にはいらせて銭十一文の捜査をはじめさせた。松明の光に映えて秋の流れは夜の錦と見え、人の足手は、しがらみとなって瀬々を立ち切るという壮観であった。それ、そこだ、いや、もっと右、いや、いや、もっと左、つっこめ、などと声をからして青砥は下知するものの、暗さは暗し、落した場所もどこであったか青砥自身にさえ心細い有様で、たとえ地を裂き、地軸を破り、竜宮までもと青砥ひとりは足ずりしてあせっていても、人足たちの指先には一文の銭も当らず、川風寒く皮膚を刺して、人足すべて凍え死なんばかりに苦しみ、ようようあちこちから不平の呟き声が起って来た。何の因果で、このような難儀に遭うか、と水底をさぐりながら、めそめそ泣き出す人足まで出て来たのである。
この時、人足の中に浅田小五郎という三十四、五歳のばくち打がいた。人間、三十四、五の頃は最も自惚れの強いものだそうであるが、それでなくともこの浅田は、氏育ち少しくまされるを鼻にかけ、いまは落ちぶれて人足仲間にはいっていても、傲岸不遜にして長上をあなどり、仕事をなまけ、いささかの奇智を弄して悪銭を得ては、若年の者どもに酒をふるまい、兄貴は気前がよいと言われて、そうでもないが、と