Classiques japonais avec furigana
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ほうそくについて
方則について
寺田 寅彦
Lisez 方則について (ほうそくについて) de 寺田 寅彦 (てらだとらひこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 8 493 caractères · 17 écrans
彼の級数は収斂の仕方の遅いものである。ここで云う残余の項は多くはもっと速やかに急に収斂するのである。また一つ忘れてならぬ事はこれらの微小な残余の項が多くはいわゆる偶然の方則に従って分布され、プラスとマイナスとが相消去するために結果が蓄積せぬ事である。一定の位置並びに寒暖計の示す温度において測った金属棒の長さは、不可測的の雑多な微細な原因のために、種々異なる価を与えても多数の測定の平均はある程度まで一致すると考えられるのはやはりこの偶然の御蔭である。こういう風に考えれば長さという言葉の意味もほぼ定まって来る。
こういう風に考えて来ると、方則というものの見方が色々あるように思われる。吾人がある有限な条件を限ってこれを指定し、他の影響は全くないと仮定した場合の結果を云い表わすものとも云われる。これは簡単明瞭であるが抽象的である。この考えでは方則を云い表わす方程式は初めから有限の独立変数を含む有限の項から成るものである。しかし厳密に云えば、かくのごとき抽象的の状況は実現する事の出来ぬものである。もう一つの見方は、この方程式の後尾へそれ自身に小さくまた沢山の場合の平均が零に漸進するような無限級数を附加して考えるのである。