Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
たびびとのことば
旅人の言
豊島 与志雄
Lisez 旅人の言 (たびびとのことば) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 1 486 caractères · 3 écrans
悲しみの夜が暮れ、悲しみの日が明けても、彼等の涙は涸れないだろう。そしてその涙が私の足を縛るのだ。縛られた足を引ずる時、私は途に迷うかも知れないのだ。……自らの足で歩くべく択んだ身には、途に迷うことが罪悪なのだ。
父母はいつまでも私の父母であれ。そしていつまでも私の肩の上にあれ。私が強くなればなるほど、彼等の心も安らかになるだろう。拒むことはやがて本当に受けんがためなのだ。神にとっては時間はないのだ。そして私にとっても時間はないだろう。然しかく云うのは今恐ろしいのだ。さらば私は、真に恐れを知る者の恐れを以て、暫くは黙って進むのだ。凡てを信じて真直に行くのだ。
はて知らぬ遠き旅に上った身は――
木影に憩わず後ろを顧みず、ただ時々は眼をつぶって祈るのだ。
祈りのうちに過ぎ来し方がそのままはっきり見えて来るのだ。そしてそれが心のうちに生き返って来るのだ。頭の中に遠い後ろの地平線がはっきり見えて来るのだ。一筋の自分の足跡が心の中に返って来るのだ。自らを根こぎにしたる悲しみもそのうちにあれ。父母を拒んだ淋しさもそのうちにあれ。自ら択んで担った重荷もそのうちにあれ。