Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
りょしゅう
旅愁
横光 利一
Lisez 旅愁 (りょしゅう) de 横光 利一 (よこみつりいち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 576 941 caractères · 1138 écrans
「あなたはカメラが専門だから、夢なんか捨てて、もっとこちらの美しいところを写真に撮ってほしいな。夢なら、僕が代りに幾らでも見とくですよ。」
と矢代は云って笑った。このときはもう、偽りもなく塩野を見て笑うことが出来たので彼も愉しかった。
二人は塩野の全快祝いをかねた夕食を摂りに外に出た。千鶴子を見舞いに行こうかという話も出たが、入院しているならとにかく、まだ自宅にいるからは却って邪魔するだけだと相談して、それもとり熄めた。
停留所まで下って来たときに、このときは塩野から欅を見上げ先日のバスの女車掌のことを云い出して笑った。人と一緒のときは矢代は、欅に物云いかけたい気持ちはいつもなく冷淡になった代りに、石工の腕の動きだけ特に激しく眼についた。そして、自分もそろそろもう仕事につくことにしようと思ったが、仕事といっても矢代のは整理部だったから、ただ書籍や雑誌の整理をする傍ら雑書を読めばよかったので、いわば彼のは書籍の中の旅をつづけて行くのが仕事というべきようなものだった。矢代はそれを愧じてもいたがまた幸いとも思った。
「どういうものだか君、日本にいなかった間だけ、僕らは日本を知らないのだから、何んとなく考え方に、一般とピントの合わない空洞が出来てそこが困るね。