Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

りょしゅう

旅愁

横光 利一

Lisez 旅愁 (りょしゅう) de 横光 利一 (よこみつりいち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 576 941 caractères · 1138 écrans

Aozora Bunko

何かそこに必ず誇りもありそうなことは矢代にも分ったが、それがまた彼の感じを一層よくしていた。

「明日のお昼に矢代さん、あたしたちに御馳走して下さるんですって。お山のお手料理よ。」

炬燵の上へ厚板を敷いた冬の宿の食卓に対ったとき、千鶴子は槙三にそう云ったが、槙三はただにっこり笑っただけだった。

「料理されるのお好きですか。」

と槙三は暫くして矢代に突然訊ねた。千鶴子は下手な槙三の質問に顔を一寸赧らめると、矢代の答え難くげな隙を埋める風に横から云った。

「この方そんなこと一番お嫌いな方なの。ですからあたし、明日の御馳走楽しみなのよ。」

「しかし、山にいますとね、里にいるときとは違って、料理を作ることはたしかに面白くなるものですよ。御馳走という字も坊さんから出て来たというの、よく分るなア。日本の船がむかし椎茸を積んで支那の寧波へ行ったとき、あそこの坊さんの大将の、その日の務めの最大行事は、美味いものを弟子たちに食わせることだったものだから、山へ降りてあちらへ走り、こちらへ走りして材料を調えに走り廻った結果が、日本の椎茸が一番美味かったというところから、馳走という字になったという説があるでしょう。