Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

りょしゅう

旅愁

横光 利一

Lisez 旅愁 (りょしゅう) de 横光 利一 (よこみつりいち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 576 941 caractères · 1138 écrans

Aozora Bunko

「久木さんはもうお幾つだ。」と父は自分も子に注がれたのを享けて訊ねた。

今日の父の上機嫌は、母の話したことに原因しているのも矢代には分っていたが、どういうものか久木男爵のことだけは、直接父に話す気がまだ起って来なかった。

「赤い襯衣を着る年だとか、云ってられたようでしたが。」

男爵の不在を好都合に迂濶に失礼な言葉使いをしては、父に叱られそうで彼も幾らか固くなって答えた。

「ふむ。」

父は何か自分の年齢や、その他久木家の先代の年齢との開きなど考える風に暫く黙った。

「お父さんが久木さんのところに勤めていられるころは、主にどういうことをしてられたのです。」

「あのころはもうトンネルの設計をしていたよ。難工事で人が失敗すると、いつもその後をわしがやらされたもんだな。これでわしも、日本のトンネルの難工事というのは、随分仕上げて来ているんだぞ。福島から会津へぬけるトンネルがあるだろう。あれは難工事で、わしも初めてぶつかったものだから、あのころは夜もろくろく眠れなかった。それから難しかったのは、碓氷峠だ。あれは難しかった。その次は大津から山科へぬける疏水で、その次は宇治川の水電だったね。