Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ひはかがやけり
日は輝けり
宮本 百合子
Lisez 日は輝けり (ひはかがやけり) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 76 445 caractères · 152 écrans
床を離れて、二三日してから孝之進は足試しに、電車に乗らずに行ける高瀬まで出かけてみた。足の方は何でもなかったが、妙な一つの現象を発見した。それは彼が高瀬の主婦に乞われるままに、お咲の所番地を書こうとしたときである。「――区――町――」孝之進は、すかすような容子で、几帳面な字を書き出した。このとき、フト彼は浩のことを思い出した。彼の目が三白なことが頭に浮んだ。三白の子は昔なら、生かして置けないといったものだと思うと、不意に手頸の力がぬけて書いていた字の下に、細く太い汚点をつけた。考える方に妙に体中の力が吸い取られて、手の方がだるいようになると一緒に、ガクンと骨が脱れたように、感じたのである。孝之進は、思わずハッとした。が別にどうしようもない。何も思わないようにして、書きあげてはしまったものの底の底まで気が滅入った。彼はそこいら中、ガタガタになって、死んで行く自分の姿をまのあたり見せつけられたようで、非常に厭な気持がした。
一二度外出をしてから、孝之進は早速帰国の仕度をした。そしてようよう汽車賃ほか遺らない中から、薬代を払おうとして、きっと浩が済ませたに違いない受取りを出されたとき、彼は思わずも溜息を吐いた。