Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ぎじんのすがた
日本の怪談
田中 貢太郎
Lisez 日本の怪談 (ぎじんのすがた) de 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 56 030 caractères · 115 écrans
「とるか」
村の男は、月の光に小供の顔を透してみて、莞(にっ)と笑いながら早速隻手(かたて)を突きだして、小供の胸のあたりに平手をやり、一と突きに突こうとしたが、小供は動かないで、そのはずみで己が背後(うしろ)へよろける。彼は忌いましいので、両手で小供を抱き締めて投げ飛ばそうとする。小供はふいと身をかわす。彼はそれがために前にのめる。彼は忌いましくて忌いましくてしかたがない。
その男は、村の者から大石塔と云われている海岸の松原にある無縁の大きな石碑を対手に角力をとっていたのであったが、朝になって地引網へ往く者から気を注(つ)けられてはじめて我に返った。某者(あるもの)は、怪しい小供に角力をいどまれたと云って、荊棘の藪の中で、血みどろになって荊棘と角力をとっていた。
しばてんは、初夏の比(ころ)、麦の茎が黄ろに染まる比に好く出て、野に遊んでいる村の少年をたぶらかした。麦の黄ろになりかけたのを、其処では麦のかさうれと云った。その時分には、好く海岸に大きな波が立って海が脹らんだように見え、潮気を含んでべとべとするような風が吹いて、麦の穂の上を白い蝶が物憂そうに飛んだ。