Classiques japonais avec furigana
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あべいちぞく
日本の文学 3 森鴎外(二)
Lisez 日本の文学 3 森鴎外(二) (あべいちぞく) de Mori Ōgai (森 鴎外) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 68 545 caractères · 140 écrans
この中には嫡子光貞のように江戸にいたり、また京都、そのほか遠国にいる人だちもあるが、それがのちに知らせを受けて歎いたのと違って、熊本の館にいた限りの人だちの歎きは、わけて痛切なものであった。江戸への注進には六島少吉、津田六左衛門の二人が立った。
三月二十四日には初七日の営みがあった。四月二十八日にはそれまで館の居間の床板を引き放って、土中に置いてあった棺を舁き上げて、江戸からの指図によって、飽田郡春日村岫雲院で遺骸を荼にして、高麗門の外の山に葬った。この霊屋の下に、翌年の冬になって、護国山妙解寺が建立せられて、江戸品川東海寺から沢庵和尚の同門の啓室和尚が来て住持になり、それが寺内の臨流庵に隠居してから、忠利の二男で出家していた宗玄が、天岸和尚と号して跡つぎになるのである。忠利の法号は妙解院殿台雲宗伍大居士とつけられた。
岫雲院で荼になったのは、忠利の遺言によったのである。いつのことであったか、忠利が方目狩に出て、この岫雲院で休んで茶を飲んだことがある。そのとき忠利はふと腮髯の伸びているのに気がついて住持に剃刀はないかと言った。住持が盥に水を取って、剃刀を添えて出した。