Classiques japonais avec furigana
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うつりが
日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江
近松 秋江
Lisez 日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江 (うつりが) de 近松 秋江 (ちかまつしゅうこう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 152 306 caractères · 300 écrans
と、次の間の長火鉢のところから声をかけた。私は、
「お気の毒て、何のことです」と、そちらを振り向くと、母親は微笑しながら、
「あの娘があんな我儘いうて、あんたはんに、えらい済まんことどした」
「なに、そんなことはちっとも心配いりません。機嫌さえ直ればいいです」
母親はそれでも腹から憂わしげな顔をして、
「わたし、もう心配で。あの娘が、あのとおりあんまり我儘いうて、あんたはんに後で愛想尽かされるようなことがありゃしまへんかと思うて、心配でならんどすさかい、昨夜あとであちらの主人のところへ相談に往て来ましたのどす。そしたら、あちらの姐さんのおいいやすには、お母はん、なんもそないに心配することはない、そんなこというて、あんたはんに甘えるんやさかい、構わんとおきやすいうてくりゃはりましたけど、私はそれが心配になって、ゆうべも、よう寝られしまへんのどす。ほて、お母はん一遍本人を越しやす、私からよう言うて聴かすさかい、いうておくれやすので、それで今日あの子もちょっと屋形へいとります。また姐さんから、あんじょう言うて聴かしておくれやすやろ思うてますけど」
私は母親が正直そうにそういって心配しているのを聴くと、ひとしお打ち解けた好い気持になって、