Classiques japonais avec furigana
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うつりが
日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江
近松 秋江
Lisez 日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江 (うつりが) de 近松 秋江 (ちかまつしゅうこう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 152 306 caractères · 300 écrans
と、私は、傍でさっきから口の絶え間もなく狂犬のように猛っている母親には脇眼もくれず、向うに静かにして坐っている女を指しながら堅い決意を表わした。そうして久しぶりに見れば見るほど女が好くってたまらない。
すると主人は、
「そやから、このままにはしまへんというています。姉さんには私が必ず後で逢わせますよって、ちょっと私の家へ往とっておくれやす」と万事飲み込んだようにいう。
それで私も物わかりよく素直に、
「それではあなたにおまかせしておきます」と、きっとした調子でいって、起ち上がりかけると、彼女はどう思案したものか、静かに坐ったまま、やっと口を切って、「あんたはん、ほんなら、これから松井さんへ往て話しとくれやす」と、きっぱりした調子でいう。
それで、私は一旦起ちかけた腰をまた下ろしながら、
「うむ、それもよかろう。松井さんへ往けというなら、あそこへ往って、あそこの主人に話を聴いてもらうのもわるくはないが、あんたも私と一緒に往くか」
そういって訊くと、女はそれきりまた黙ってしまって返事をしない。
「お前が一緒に往くなら私も往く。さあ、どうする」
傍にいる越前屋の主人は、その時口を入れて、