Classiques japonais avec furigana
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うつりが
日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江
近松 秋江
Lisez 日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江 (うつりが) de 近松 秋江 (ちかまつしゅうこう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 152 306 caractères · 300 écrans
「ようここで三野村さんと喧嘩してはりましたなあ」若奴がいう。
「ふむ、よう喧嘩をしてたなあ。あんなに惚れていてどうしてああ喧嘩したのやろ」女主人はその時分のことを思い出すような風で笑った。
「それは仲が好過ぎてする喧嘩でしょう」
そういうと、女主人と若奴とは口を揃えてそれを否定し、
「いや仲が好過ぎてするのとちがう。仲が好うてする喧嘩とそうでのうてする喧嘩とは違っています。お園さんと三野村さんの喧嘩は本当に仲が悪うてするような喧嘩やったなあ」
「ええそうどす。お園さん、もうあんたはんのような人は嫌いや、もうここへ来んとおいとくれやすいうて、随分きついこというてはりました」若奴がそれにつけていった。
「男が死んだときお園はどうしていました。ひどく落胆していましたか」
女主人はまた若奴と顔を見合わしながら、
「死んだ時かて格別お園さんの方では力落したような風はなかったなあ」
若奴はその時分のことはよく覚えているらしく、
「ちょっともそんな様子はありゃしまへなんだわ。……そうそうあの時お園さん二、三日大阪へ行ってはりました。そして夜遅うなって帰って来やはりました。まあ、お気の毒に三野村さんがお死にやしたのに、お園さんは大方そんなこととも知らはらんやろか大阪に往てどこで何しておいやすんやろいうて私うちで言うていました。