Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

いも

日本プロレタリア文学集・11 「文芸戦線」作家集(二)

佐左木 俊郎

Lisez 日本プロレタリア文学集・11 「文芸戦線」作家集(二) (いも) de 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 26 241 caractères · 54 écrans

Aozora Bunko

――何時かな?」

権四郎爺は、帯の間から金側時計を引抜いて、それを覗きながら腰を上げた。

「おや! こんなどこさまで松埃が這入ってがる。ひでえには、ひでえんだな。見せえ、こら。」

斯う言って彼は、森山の前に、自分の身体ごとその懐中時計を持って行った。時計の白い文字盤の上には、二つ三つの黒い斑点がとまっていた。

幾ら考えても森山はあの土地を売る気にはなれなかった。田圃の底が煉瓦に変ると云うばかりでなく、そうして耕地を失った人々が、食物の生産から遠ざかって行くことがわかりきっているからだ。斯うして行ったら最後にはどうなるのだ? まさか煉瓦を食っているわけにも行くまい! 森山はそんな風に考えた。

三

煉瓦工場は黒煙を流し続けた。森山が土地を売らなければ、それで一時は中止するだろうと思われていたのだったが、そんなこと位で容易に怯んではいなかった。煉瓦工場では遠方にその材料の粘土を需め出した。赭い二つの触角は、森山の所有地を挟んで伸びて行った。

「煉瓦場の野郎共も、面白い野郎共だな。ほら、あの赭土を採った跡を見ろったら。煉瓦場の親父の頭の禿具合と、そっくり似たように拵えがったから。