Classiques japonais avec furigana
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しゅんせつせん
日本プロレタリア文学集・8 葉山嘉樹集
葉山 嘉樹
Lisez 日本プロレタリア文学集・8 葉山嘉樹集 (しゅんせつせん) de 葉山 嘉樹 (はやまよしき) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 34 935 caractères · 73 écrans
「チョッ!」
秋山は舌打ちをした。
――奴あ、ハムマーを耳ん中に押し込んでやがるんだ、きっと、――そう思って、秋山は口を噤んだ。
秋山は十年、小林は三十年、坑夫をやって来た。彼等は、車を廻す二十日鼠であった。
彼等は根限り駆ける! すると車が早く廻る。ただそれ丈けであった。車から下りて、よく車の組立を見たり「何のために車を廻すか?」を考える暇がなかった。
秋山も小林も極く穏かな人間であった。秋山は子供を六人拵えて、小林は三人拵えて、秋山は稍ずるく、小林は掘り出した切り株の如く「飛んでもねえ世の中」を渡っていた。
「何て、やけに吹きやがるんだ! 畜生」
小林はそう云って、三尺鑿の先の欠けた奴を抛りだした。
秋山は運転を止めた。
「オイ、もう五尺は入っただろう」
ガラガラッとハンドルを廻しながら、六尺鑿を抜き出した。
小林は前へ廻って、鑿を外しながら、
「エッ」と云った。
「もう五尺は入っただろう」
「そうさなあ、入ったかも知れねえな」
「早仕舞にしようじゃないか」
「いいなあ、ハムマーの連中にそう云おうかなあ」
「だが、ダイの仕度は出来てるかい?」
「どうだか。見張りで聞いて来らあ」