Classiques japonais avec furigana
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あねがわのかっせん
日本合戦譚
菊池 寛
Lisez 日本合戦譚 (あねがわのかっせん) de 菊池 寛 (きくちかん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 154 771 caractères · 313 écrans
「領主板倉氏の宗徒への圧迫と課役の苛酷さとは、平時も堪えがたし。今年の凶作をもって、如何にして之に堪えてゆかれよう。今は非常手段に訴えるより途はなかろう」この様な論議が各村庄屋の寄合の席で持ち出される。大矢野島と島原との間に湯島と云う小島があるが、宗徒等は此処に秘密のアジトを置き、天草島原の両地方の人々が来り会して、策謀を凝した。後世談合島と称される所以である。
島原の南有馬村庄屋治右衛門の弟に角蔵なる者があり、北有馬村の百姓三吉と共に、熱烈な信者であった。彼等の父は嘗つて藩の宗門改めに会って斬られた者達であるが、角蔵、三吉は各々の父の髑髏と天主像を秘かに拝して居たのを、此頃に至って公然と衆人に示して、勧説するに至った。立ち所に帰する者七百人に及んだが、領内の不穏を察して居た有馬藩では、之が逮捕に、松田兵右衛門以下二十五人をして、船に乗じて赴かしめた。両名の妻子共々に捕えた時に、三吉は角蔵に向って「自分が身を以って教に殉ずるのは、固から願う処だ。しかし五歳の男児と三歳の女児の未だ教の何たるかを知らない者まで連座するのを見ると涙がこぼれる」と云うと、角蔵は、「何と云う事を云われる。