Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

にほんふどうき

日本婦道記

山本 周五郎

Lisez 日本婦道記 (にほんふどうき) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 547 caractères · 23 écrans

Aozora Bunko

家主の名は熊造といった。固ぶとりに肥った小がらなからだつきで、髭だらけの顔にするどい眼つきをしているが、近所じゅうへ響くようなこえで日和のあいさつなどをする男だった。むかしは馬を曳いて海道を往来したという、暴れ者で、ずいぶん世間から嫌われたのだそうだが、それだけに世の裏おもてをよく知っていて、困っている者があれば身を剥いでも面倒をみるという風だった、いまでは伝馬問屋の店をもって親方ともいわれ、年々岡崎藩から幕府へ献上される竹束の輸送は、ほとんどかれの店がひとり占めの御用になっていた。熊造のひきたてもあったろうけれど、畷道のみよの店はしぜんと海道に名をひろめていった、評判のもとはなんといっても草鞋だった。――やごめわろんじは百日はける。やごめは寡婦、わろんじは草鞋のおかざきぶりであるが、そんな通り言葉ができたほどみよの草鞋は人々にもてはやされた。

はりつめた生きかたの身にゆく春秋をかぞえるいとまはなかった。安之助が十二歳になって、かたちばかりに鎧初めの祝いをしてから間もなく、家ぬしの熊造があらたまったようすで再縁のはなしをもちだした。相手はところの郷士で、年は四十を越しているが家はもう子供にゆずっていたし、家産もゆたかなので、もしみよさえ承知なら別に家を建てて暮してもよいということだった。