Classiques japonais avec furigana
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がまのち
日本怪談大全 第一巻 女怪の館
田中 貢太郎
Lisez 日本怪談大全 第一巻 女怪の館 (がまのち) de 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 192 678 caractères · 394 écrans
「やかましいや、この破戸漢」
「破戸漢であろうと、なんであろうと、そんなことに用はない、ここな奥さんをもらって往けば、それでいい、痴なことをしないで、旦那にそう云って、奥さんを俺にくれるようにしてくれ」
「あんな腐った女は欲しくはないが、汝なんかに渡すものか、渡すようなら、首にして渡さあ」
「こりゃ面白い、首にして渡してくれるか、受けとろう、俺も、男の意地だ、こうなりゃ、首でも体でも、渡してもらわなくちゃ帰らない」
「なに」
広巳は火鉢をすてて床の方へ走った。床には刀架があって、広巳が記念の軍刀と日本刀が架けてあった。広巳は日本刀を引掴んで執り、すらりと脱きながら岡本の方を揮り向いた。
「女の首を渡す前に、まず汝の首を渡せ」
岡本は刀の柄に手をかけた。
「なにを」
定七が室の中へ飛びこんで来た。
「いけない、いけない、若旦那、そ、そんなことをしては、いけない、若旦那」
「なに、今日は、この家の邪魔をする妖魔を斬っちまうのだ」
「いけない、若旦那、あなたは」
定七は広巳のけんまくが荒いので傍へ寄ることができなかった。広巳は岡本の前へ出た。
「野郎」
岡本は同時に刀を脱いたが、広巳のけんまくに気をのまれて腰が浮いた。