Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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にほんたんていしょうせつかいすんぴょう

日本探偵小説界寸評

国枝 史郎

Lisez 日本探偵小説界寸評 (にほんたんていしょうせつかいすんぴょう) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 5 856 caractères · 12 écrans

Aozora Bunko

さて、林不忘氏の「釘抜藤吉捕物覚書」は、髷物で行こうとする所に、特色らしいものは見えるけれど――そうして「怪談釘地獄」や「宇治の茶箱」などは結構であるが併し髷物の捕物なら、若手に白井喬二氏あり、大家に岡本綺堂氏あって、その塁を磨するということは、困難のように思われる。

これは云わでもの事ながら、噂によると平野威馬雄氏は、アラン・ポーの血統とのこと、事実なら愉快な限りである。「鬼黒田探偵秘譚」という、連作物の幾篇かに由って、才筆を謳われた石川大策氏が、其後筆を納めたのは、洵に以て勿体ない。こういう人を担ぎ出し、縦横に其筆を揮わせるのも、探偵小説創作界を賑わせる方便ではあるまいか。山下利三郎氏、横溝正史氏、西田政治氏の諸短篇も見遁すことの出来ないものである。

「探偵小説新趣味」が震災後廃刊になったのは、返す返すも残念なことである。該誌の編集者鈴木徳太郎氏は、今や雑誌「ポケット」に拠り、これは以前にも云ったことであるが、その途方もない編集度胸を以て、続々新作家を製造している。今日迄「新趣味」が続いていたなら、おそらく其テンで鈴木氏は、三ダースぐらいの探偵小説家を、産出したに違いない。