Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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にほんたんていしょうせつかいすんぴょう

日本探偵小説界寸評

国枝 史郎

Lisez 日本探偵小説界寸評 (にほんたんていしょうせつかいすんぴょう) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 5 856 caractères · 12 écrans

Aozora Bunko

その点は少しも問題でない。寧ろ洵に結構である。が併しどうも結構でないのは、折角「サム」に則り乍ら、一向「サム」の精神なるものを咀嚼していないことである。欧米諸作家雲の如く、随分沢山探偵小説を産むが、いずれも資本主義の文明に、養成された所の「紳士」なるものに、最後の勝を取らせている。然るに一人マッカレーばかりは、地下鉄サムを現に出し謂う所の贋の「紳士」なるものへこっぴどく痛棒を喰らわせている。これ此作の精神である。然るにどうやら逸馬氏は、そんな点などへは眼もくれず、機智縦横の作風ばかりに興味を感じているらしい。どうも是では困るのである。一考を煩わしたい次第である。

稲垣紅毛氏の「犯罪研究」土井謙蔵氏の「犯罪事実譚」常司鈴太郎氏の「ほんとにあった事」等は純粋の創作では無いにしても、多の技巧が加味されてあり、却って純粋の創作などより、面白くもあれば有益でもあり、粗末に出来ないという点で、大いに推賞したいものである。「サンデー毎日」が鼓吹して、今や天下を風靡しているクロス・ワード・パズルなるものも一種の探偵的遊戯なのであって、その点が流行を持ち来たしたのである。