Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きゅうしゅじん

旧主人・芽生

島崎 藤村

Lisez 旧主人・芽生 (きゅうしゅじん) de 島崎 藤村 (しまざきとうそん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 149 813 caractères · 302 écrans

Aozora Bunko

と学士も笑った。

間もなく学士は高瀬と一緒に成った。二人が教員室の方へ戻って行った時は、誰もそこに残っていなかった。桜井先生の室の戸も閉っていた。

正木大尉も帰った後だった。学士は幹事室に預けてある自分の弓を取りに行って、復た高瀬の側へ来た。

「どうです、弓は。この節はあまり御彎きに成りませんネ」

誘うように言う学士と連立って、高瀬はやがて校舎の前の石段を降りた。

生徒も大抵帰って行った。音吉が独り残って教室々々を掃除する音は余計に周囲をヒッソリとさせた。音吉の妻は子供を背負いながら夫の手伝いに来て、門に近い教室の内で働いていた。

学士は親しげな調子で高瀬に話した。

「音さんの細君はもと正木先生の許に奉公していたんですッてネ。音さんが先生の家の畠を造りに行くうちに、畢寛出来たんでしょう……先生があの二人を夫婦にしてやったんでしょうネ」

二人が塵払の音のする窓の外を通った時は、岩間に咲く木瓜のように紅い女の顔が玻璃の内から映っていた。

新緑の頃のことで、塾のアカシヤの葉は日にチラチラする。薮のように茂り重なった細い枝は見上るほど高く延びた。

高瀬と学士とは懐古園の方へ並んで歩いて行った。