Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
きゅうしゅじん
旧主人・芽生
島崎 藤村
Lisez 旧主人・芽生 (きゅうしゅじん) de 島崎 藤村 (しまざきとうそん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 149 813 caractères · 302 écrans
馬は泡立つ汗をびっしょり発(かい)て、それが湯滝のように顔を伝う、流れて目にも入る。白い鼻息は荒くなるばかりで、烈しく吹出す時の呼吸に、やや気勢の尽きて来たことが知れる。さあ、源は激(あせ)らずにおられません。こうなると気を苛(いら)って妄(やたら)に鞭を加えたくなる。馬は怒の為に狂うばかりになって、出足が反(かえっ)て固くなりました。遽(にわか)に「樺、樺」と呼ぶ声が起る。樺はたしかに最後の筈(はず)。しかし、その樺が今まで加え惜んでいた鞭を烈しくくれて、衰えて来た前駆の隙(すき)を狙(ねら)ったから堪りません。見る見る赤を抜き、紫を抜きました。馬博士は帽子を掴潰(つかみつぶ)して狂人(きちがい)のように振回す。樺は奮進の勢に乗って、凄(すさま)じく土塵(つちぼこり)を蹴立てました。それと覚った源が満身の怒気は、一時に頭へ衝きかかる。如何(いかん)せん、樺は驀地(まっしぐら)。馬に翼、翼に声とはこれでしょう。忽(たちま)ち閃電(いなずま)のように源の側を駆抜けて了いました。
必勝を期していた源の失望も思いやられます。勝利の旗は樺の手に落ちました。