Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きゅうしゅじん

旧主人・芽生

島崎 藤村

Lisez 旧主人・芽生 (きゅうしゅじん) de 島崎 藤村 (しまざきとうそん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 149 813 caractères · 302 écrans

Aozora Bunko

家内の信心に乏しいことなどを言って、しきりに祈祷(きとう)を勧めて帰って行った。

「御祈祷して御貰い成すったら奈何(いかが)です――必(きっ)と方角でも悪かったんでしょうよ」

と植木屋の老婆(ばあ)さんは勝手口のところへ来て言った。義理としても家内は断る訳にいかなかった。

その日から家内は一人ズツ子供を連れて駿河台まで通った。暑い日ざかりを帰って来て、それから昼飯の仕度に掛かった。信州の牧野君からは手紙の着くのを待つ頃であった。それを手にして見ると、「自分の子供の泣声を聞いたら、さぞ房子さん達も待つだろうと思って、急に手紙を書く気に成った――約束のものを送る」としてあった。私はこの友達の志に励まされて、あらゆる落胆と戦う気に成った。家内には新宿の停車場前から鶏肉だの雑物(ぞうもつ)だのを買って来て食わせた。この俗にいう鳥目(とりめ)が旧(もと)の通り見えるように成るまでには、それから二月ばかり掛かった。

翌年の三月には、界隈(かいわい)はもう驚くほど開けていた。この郊外へ移って来て、近くに住む二人の友達もあった。私の家では、四番目の子供も産れていた。