Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

めいじのせんそうぶんがく

明治の戦争文学

黒島 伝治

Lisez 明治の戦争文学 (めいじのせんそうぶんがく) de 黒島 伝治 (くろしまでんじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 887 caractères · 24 écrans

Aozora Bunko

にも、際物的に簇出した戦争小説にも、勿論、桜井忠温の「肉弾」にもこれは反映しなかった。

田山花袋の「一兵卒」は、作者の従軍中の観察と体験とからなったものである。明治四十一年一月の「早稲田文学」に現れた、花袋の代表作の一つであろう。日露戦争の遼陽攻撃の前に於ける兵站部あたりの後方のことを取材している。戦地へいった一人の兵卒が病気のため、遼陽攻撃が始って全軍が花々しく進撃するうちに、一人だけ苦しみながら死んで行く有様を描いて、いわゆる「自然主義風」に人生の意義を語ろうとしたものである。

作品のなかに兵卒が現れだしたのは、これよりさき大倉桃郎の「琵琶歌」にも見られるが、花袋は、もっとよく兵卒に即して、戦場を描いている。これは、日清戦争当時の独歩や蘆花が、士官若しくはそれ以上しか眼にうつらなかったのに比して、一段の進歩ということが出来る。そしてこの兵卒を書くということは、明治以後、大正、昭和の戦争文学または兵営の生活を書いた文学に、ますます多くなっている。勿論、兵卒を書くことによって、戦争を十分に描き出し得るとは云えない。将校の動きも、隊長も指揮官も、相手方の部隊の様子も、軍隊の背後に於ける国内の大衆の生活状態も、そこに於ける階級の関係も、すべて戦争と密接な切り離せない関係を持っている。