Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
Lisez 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 26 820 caractères · 54 écrans
光子は幼時からの習慣で、自発的にその奇怪さにこだわることはなかったが、一枝の呪文をきくと、まず思い当るのはそれであった。
彼女は毎日せつなかった。なぜなら、父母が文彦様とよぶのをきくと、ハッとせざるを得なくなったし、それは日常のことだからである。のみならず、街でよその父母がわが子を呼びすてにするのをきいても、顔があからむような、居たたまらぬ思いに駆りたてられるからであった。まして水彦が長子木々彦を呼びすてにするのをきけば、光子は卒倒しかけるかも知れないだろう。それほどこだわるようになった。
まるで天才とも言うべき風守をキチガイ扱いに座敷に閉じこめて、それが文彦に本家をつがせる父母の陰謀であるとすれば……イヤ、イヤ。そのような筈はない。文彦の生れる前から、風守は座敷牢に閉じこめられていたのである。村の風説によれば、風守が不治の病気であるために、その生母が自害したというではないか。それに、あの怖しい本家の祖父が、それを黙認しているのだ。父母の陰謀なら、あの怖しい祖父が同意を示す筈はない。祖父自身の意志でなければ、風守を座敷牢に入れることはできない筈ではないか。