Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

めいじかいか あんごとりもの

明治開化 安吾捕物

坂口 安吾

Lisez 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 23 970 caractères · 48 écrans

Aozora Bunko

母にくらべて、大胆不敵、武者振り堂々たる万引常習者であった。

彼女らにとっては、買うことと万引とは、結局同じことにすぎないのに、そこは病人のことで、万引は又特別、戦利品というような快感があるらしい。貧故の万引とちがって、金持の万引は完全な病癖なのだから、その快味は又、特別に相違ない。

だから、買ってきた品物は、ちゃんと居間のタンスにしまうけれども、戦利品は土蔵の中へ秘かに隠して貯蔵して、その戦利品の山を日夜のぞきに行って満足しているのだ。だから彼女らは、土蔵の中へは誰も入れない。土蔵は、この家の一番奥の主人夫妻の居間、今では未亡人一人の居間であるが、そこに接している上に、カギは未亡人の手中にあるから、未亡人の眼を盗んで土蔵に入ることは誰もできない。ただ娘のキク子だけは母の居間に出入自由で、同時に土蔵の中へも自由に出入できるらしい。二人は特に仲が良いのである。共通せる病人のせいかも知れない。

大金持の土蔵であるから、実に壮大雄渾な大土蔵で、花川戸の蔵吉という土蔵造りの名人が、九年かかって仕上げたという国宝的な土蔵であった。その大土蔵のどこに、どんな風に戦利品が陳列してあるのか誰も見ることが出来ないが、気品あくまで高き未亡人と、奔放にして美しき娘とが、時々そこへ忍び佇んで戦利品に魅入られている姿を想像すると