Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

めいじかいか あんごとりもの

明治開化 安吾捕物

坂口 安吾

Lisez 明治開化 安吾捕物 (めいじかいか あんごとりもの) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 23 970 caractères · 48 écrans

Aozora Bunko

咲子は一也の話をにわかに信用するわけにいかなかった。とは云え、良人にきいてみるのも怖しい。なぜなら、なんとなく思い当る節があるのだ。

この家へ家族のように繁々と出入するたった一人の人物がある。その親しさや、威張り返っている様子、人々がなんとなくその人物を煙がりながら鄭重にする様子から、睨みの利く親類の親玉と思っていたら、正司が病気のとき、カバンをぶら下げ、医者になって、診察に来た。彼は花田医院の院長であった。決して親類ではないのである。

花田がくると、彼は未亡人の居間で酒をのみ、赤い顔をして帰る例であった。未亡人はゆすられているらしい。咲子は一也の話で、謎が氷解した思いであった。亡父権六の癩病、発狂、自殺、という事実を知っているのは花田だけなのだ。そして彼が、病死というニセ診断書を書いたのである。咲子はそこに思い当った。

正司は次男であった。キク子の上に博司という今年二十七になる長男がいるのである。ところが、彼は日本には居ない。父が死んでまもなく、百ヶ日もすぎないうちに、外国へ行った。そして五年になるが、まだ帰ってこない。そればかりでなく、向うの女と結婚して、もう帰国する意志がないらしいという話なのである。