Classiques japonais avec furigana
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しょうわのじゅうよねんかん
昭和の十四年間
宮本 百合子
Lisez 昭和の十四年間 (しょうわのじゅうよねんかん) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 35 356 caractères · 69 écrans
を思い立って四部作の第三部までを書いたということも、ゾラに「パリ」があるからというのが執筆の動機ではないであろうし、震災で古い東京が失われたからという回顧が興味の中心でもなかったことは推察される。社会生活の渦の真中としての東京がこの作家の眼をひいた時代的なものも感じられるのである。
この時代に広津和郎の「女給」が現れた。一面から見ればこの作品はこの作家の連載物への動きであるが、「女給」というものが現代の日本の社会で経ている在りようを、享楽の対象としてではない面から描こうとされたところに、単なる通俗性への屈伏以外のものがある。「田園の憂鬱」の作者佐藤春夫の「心驕れる女」という連載物に登場する人物にさえ時代の空気が流れ入っていることは、一つの例に過ぎず、当時は通俗小説の中にさえも新しさの象徴として時代的な青年男女の動き、心持ち、理論などと云うものがさまざまに歪曲されながら装飾として或はあやとして取り入れられたのであった。
この間にも新しい見地に立っての芸術価値評価やその創作方法に対しての反撥は決して消されなかった。「新感覚派」は既に文学上のグループとして解体していたが、昭和五年に出来た十三人倶楽部による「新興芸術派」