Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(一)
岡本 綺堂
Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(一) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 47 663 caractères · 97 écrans
彼がそれからすぐに愛宕下の湯屋へ急いで行ったのは朝の四ッ半(十一時)頃で、往来には遅い回礼者がまだ歩いていた。獅子の囃子も賑やかにきこえた。
裏口からそっとはいると、熊蔵は待っていた。
「親分、ちょうど好い処です。一人の野郎は来ています。なんでも湯にへえっているようです」
「そうか。それじゃあ俺も一ッ風呂泳いで来ようか」
半七は更に表へ廻って、普通の客のように湯銭を払ってはいると、まっ昼間の銭湯はすいていた。武者絵を描いた柘榴口のなかで都々逸の声は陽気らしくきこえたが、客は四、五人に過ぎなかった。半七は一と風呂あたたまるとすぐに揚がって来て、着物を肌に引っ掛けたままで二階へあがると、熊蔵もあとからそっと付いて来た。
「あの、水槽に近いところにいた奴だろう」と、半七は茶を飲みながら訊いた。
「そうです、あの若けえ野郎です」
「あれは偽者じゃあねえ」
「ほんとうの武士でしょうか」
「足を見ろ」
武士は常に重い大小をさしているので、自然の結果として左の足が比較的に発達している。足首も右より大きい。裸でいるところを見届けたのだから間違いはないと半七は云った。
「じゃあ、御家人でしょうか」