Classiques japonais avec furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 201 612 caractères · 405 écrans
「そうじゃあねえ。お浪がなんで人殺しなんかするもんか」
「そうでしょうね」と、お定は僅かにうなずいた。
「まあ、待っていねえ。今にかたきを取ってやるから」
「どうぞおたのみ申します」
お定は襦袢の袖口で眼をふいていた。それをあとに見て半七は奥へ通ると、主人夫婦はいよいよ顔を陰らせていた。お浪の駈け落ちや張子の虎の詮議がひと通り済んだあとで、半七は主人を慰めるように云った。
「なに、もう御心配にゃあ及びません。もう見当は大抵ついています。あのお定という新造は通いですか。家はどこですえ」
「すぐ二、三軒さきの酒屋の裏で、洗濯婆さんの二階を借りています」と、主人夫婦は答えた。
「じゃあ、わたしはこれからその留守宅を調べに行きますから、本人にも知らさないようにして置いてください」
「お定になにか御不審があるんですか」と、女房はびっくりしたように訊いた。
「いや、まだ確かに判りません。まあ、ちょいと行って見ましょう」
半七はしずかに起って出て行ったが、それから小半も経たないうちに、手拭に巻いた片足の草履を持って来た。かれは与七を呼んで、この間あずけて置いた草履の片足を取り寄せた。