Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 201 612 caractères · 405 écrans
江戸へ帰った後も、彼等はむかしの親しい友達にはなれなかった。同じ商売でおなじ楽屋の飯を食っていながらも、水右衛門と兵助とは所詮かたき同士たるを免かれなかった。
二
「紋作さん。なんだかいやに時雨れて来ましたね」
十七八の色白の娘が結い立ての島田を見てくれというように、若い人形使いのまえに突き出した。紋作はまだ独身者で、下谷の五条天神から遠くない横町の、小さい小間物屋の二階に住んでいるのであった。
その小間物屋から四、五軒さきに、踊りや茶番の衣裳の損料貸しをする家があって、そこで操りの衣裳の仕立てや縫い直しなどを請け負っていた。小間物屋の娘お浜も手内職にそこの仕事を手伝いに行っているので、そんな係り合いから紋作とも自然に心安くなって、お浜の母も承知のうえで自分の二階を彼に貸すことになったのであった。お浜の家では四年ほど前に主人をうしなって、今では後家のお直と娘との二人暮らしである。そこへ転がり込んだ紋作は年も若い、芸人だけに垢抜けもしている。したがって近所では彼とお浜とのあいだに、いろいろの噂を立てる者もあったが、母のお直がなんにも聞かない振りをしているのを見ると、ゆくゆくは娘の婿にする料簡であろうなどと、早合点にきめている者もあった。