Classiques japonais avec furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 201 612 caractères · 405 écrans
紋作も渋い顔をしてはいられなくなった。赤堀水右衛門と石井兵助とをめでたく和解させて、紋七も先ず安心した間もなく、なにかの話から糸を引いて、いつかの人形の噂がまた繰り出された。
「おい、紋作。あの人形はほんとうに斬り合ったのか」と、冠蔵は笑いながら訊いた。
「嘘じゃあない。たしかに見た」
「じゃあ、まあ、ほんとうにして置くかな」と、冠蔵はまた笑った。
それが又、紋作には面白くなかった。今の冠蔵の口ぶりによると、かれは飽くまでも人形の不思議を信用しないのである。彼は飽くまでもこっちが故意に彼の人形を傷つけたように認めているらしい。紋作は嘲るように云った。
「ほんとうにして置くも置かないもない。おれが確かに見とどけたんだから」
「見とどけた。むむ、寝ぼけ眼でか」
「寝惚け眼でも猿まなこでも、おれが見たと云ったら確かに見たんだ。人形にたましいのはいるというのは無いことじゃない」と、紋作はいきまいた。
「そりゃあ人間が上手に使えばこそだ。なんの、木偶の坊がひとりで動くものか」
「ええ、そういう貴様こそ木偶の坊だ」
双方がだんだんに云い募ってくるので、紋七も持て余した。
「また三段目か、もうええ、もうええ、今更そんなことを云うてもあかんこっちゃ。