Classiques japonais avec furigana
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はんしちとりものちょう
時代推理小説 半七捕物帳(三)
岡本 綺堂
Lisez 時代推理小説 半七捕物帳(三) (はんしちとりものちょう) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 201 612 caractères · 405 écrans
人の知らない苦労に、主人も家来も痩せてしまった。
十一月の末に、安吉は又もや五両の無心を云って来た。しかし其れだけの都合が出来なかったので、お鉄は三両の金を本所の木賃宿までとどけにゆくと、安吉はひどく不平らしい顔をした。しかも彼は酔っている勢いでお鉄に猥りがましいことを云い出した。お鉄は振り切って逃げて帰ろうとするのを、かれは腕ずくで引き留めたので、何事も主人のためと観念して、お鉄はなぶり殺しよりも辛い思いをしなければならない破目に陥った。その安吉は自分もお尋ね者であることを初めて明かして、もうこうなった以上、お元からまとまった金を貰って、どこか遠いところへ行って、一緒に暮らそうとお鉄をそそのかした。
その以来、お鉄はかれに対する今までの恐怖が俄かにおさえ切れない憎悪と変じた。主人の為、いっそ憎い仇をほろぼしてしまおうと決心して、お鉄は巧みに詞をかまえて、彼を両国橋の上によび出した。彼女は帯のあいだに剃刀を忍ばせて、宵から橋の上に安吉を待ちうけていた。半七が彼女を身投げと見あやまったのはその時で、その後のことはあらためて説明するまでもあるまい。安吉はさらにお元から百両の金をゆすり取って、一度手籠めにしたお鉄を無理に連れ出して、どこへか立退こうと企てたが、それが最後の破滅を早める動機となって、かれはお鉄の